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再起+分娩の様子4

15-4.jpg 「再び起きる」とは、まさに今の状況にぴったりの言葉のようだ。先週、また乳腺炎になって寝込んでしまった。しかも今回は高熱というおまけつき。平熱が35度台の私にとって、38度台の熱というのは厄介だった。頭痛や悪寒に加え、体の節々が痛いというのはこれまであまりなかった経験である。母乳育児おそるべし。


ちょうどダンナのお母さんが来てくれていた時期だったので、Babyの面倒や家事などいろいろお願いできて助かった。ほんとにありがとうございます。


さて、平日Babyと2人でいると何かとやることがおせおせになってなかなかまとまってPCの前に向かえないんだけど、せっかく書き始めたから、もう一度再開することにする。この前の続きから。


Babyをこの世に産み落とすための長い夜はまだ明けない。いや、始まったばかりだった。ヨタヨタと分娩室に向かい、力を入れて一気に分娩台に這い上がる。「足を開いて。レバーはここですよ。思い切りつかんでいいですからね」などと助産師さんに体勢を指示してもらう。先生も入室してきて部屋の明かりが次々と点けられ、いよいよ産みの準備に入る。閉じたまま開くことのできない目にも、周囲に漂うピンとした雰囲気が見えるようだった。「いよいよ産めるんだー」と私の気持ちは次第に楽になる。


…が、もちろんそんな簡単に産めるわけはなかった。
陣痛の間隔が次第にはっきりしてきて、痛みもさらに増してくる。もうどこが痛いのかもわからないくらい。しばらくもがいている間に、いつ入ってきたのか、助産師さんが私の右上に陣取っていたダンナに汗を拭いてやってくださいね、と声をかけているのがわかった。タオルで額の汗がぬぐわれる。「もっと強く拭いてくれればいいのに…」と思ったことは覚えているけれど、もちろんそんなことを声に出す元気すら、私にはない。

分娩台に載せている脚が、ガクガク震えだした。寒さのためか、同じ姿勢での疲れのためか、はたまた怖さのためか。

なんとか震えを止めたかった。「脚を抑えてて」とダンナに言おうかと思ったけれど、声を出す力はない。分娩中の私から漏れた言葉は、ただ「…痛い…」だけだった。

私は普段から、自分の痛みについて人にどうこう言うタチではないと思っている。「痛い?」と聞かれれば「痛いよ」とは言うけれど、自ら人に痛いと言ったからって、その人がどうにかしてくれるわけではないから。でもこのときばかりは違った。何とかしてほしくて、すがるような思いを込めてようやく発することができた言葉が「…痛い…」という息も絶え絶えの単語だった。

「産みの苦しみ」とはよく言ったものである。この後の痛みや苦しみを表現する筆力を、私は持ち合わせていない。ただ、出産というのは神の領域に踏み込むことだなあと心から思った。極限までの痛さと苦しさ。そして、それらを自分自身の力ではどうすることもできないということへの怖さ。新しい生命を生み出すことは、自らの命と引き換えでもおかしくはないほどの業なんだと実感した。

呼吸困難に陥りそうな私の鼻に酸素導入のパイプがつけられ、頭は見えているもののなかなか出てこないBabyは、難産を防ぐために吸引されることになった。先生が私のお腹の上に体重をかけて、思いっきり押し出すのに合わせて、助産師さんが器具を使ってBabyを引っ張り出す。私も先生のプッシュに合わせて本当に最後の力を振り絞って必死でいきみ方を調整する。

そして吸引されること数分間?、とうとうBabyは生まれ出た。時は夜中の2時35分。「生まれたよ!ほら、赤ちゃん出てきたよ!」と、喜びと安堵の気持ちが混ざったダンナの声が聞こえた。助産師さんたちも弾んだ声を出している。

周りの空気が、一気に和らいだ華やかなものになったことがわかった。そして、見てあげなきゃ、と思った。私の目はまだかたく閉じられたままで、Babyが見えなかった。精根尽きはてた体ながらもなんとか残りの力を振り絞って目を開けてみたら、ようやく開いた右目に、顔をくしゃくしゃにさせながら泣いているBabyの姿が映った。

「かわいい」とか「我が子」とか、正直言ってそんな感想は全くなかった。ただただ「泣いてる…」と思った。そして後は助産師さんたちに任せておけば安心、と思ったのが最後。疲労困憊の私は、多くの人が流すであろう感動の涙も出ず、Babyを抱きたいという意欲さえも出なくて、ひとり分娩台の上で闇に落ちた。

以上で私の初の分娩体験は終わり。本当はこのあと、陣痛と同じくらい痛く感じられた後陣痛(胎盤が出る)や傷口の縫合(切った以上に裂けた)などがあって、さらに苦しむことになるんだけど、それはもういいかな。ただ、話すだけの体力が戻った私が分娩台の上からダンナにかけた最初の言葉は「…今度(の出産)は無痛分娩にする…」だった。それが一番の正直な気持ち。

分娩の痛さは人それぞれらしいけど、それからしばらく後は、妊婦さんを見るだけで辛かった。「ああ、彼女もこれからあんなに苦しい思いをするのね…」と思われて、見知らぬ幸せそうな妊婦さんが心から気の毒に思えてしまうのだ。

今はそのトラウマからもようやく解放され、推定体重を大幅に上回り、私をさんざん苦しめて出てきたBabyのお世話に追われる日々となった。

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hanaさん、はじめまして。
拙ブログにお立ち寄りいただきましてありがとうございます。そして、妊娠おめでとうございます!!
出産は、私は大変だったけど今はもう平気だし、そんなに痛くない人もいるみたいだから、なんとかなりますよ、きっと。(ひとごとのようなセリフですけど。笑)
安産を心からお祈りしています。私でお力になれることがあれば尽力いたしますので、なにかあったらぜひお知らせくださいね!

安曇さん、お久し振りです!
なんだかほんとにご無沙汰ですね(^^)。
今度お目にかかったら、ぜひ安曇さんの子育て時代のお話を聞かせてくださいね!

はじめまして。
ご出産おめでとうございます!!
私は、今妊娠6ヶ月で
一ヶ月ほど前から、日記楽しく読ませていただいてました。
出産は、命がけって言うのがヒシヒシ伝わって来て
同じく初産の私は、今からドキドキしてます。汗
家事&育児で大変だと思いますが
お身体にお気をつけて、頑張ってくださいね。
また、更新されるのを楽しみにしています♪

なぜか、読んでいて泣けてしまった。
まぁ、痛みは忘れますから(←ひとごと)
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Author:ぼちぼち筆者
好きな本は「赤毛のアン」「精霊の守人」「西の魔女が死んだ」などなど。新しいkindred spiritsと出会えるのを楽しみにしています。

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