共感の心

先日、横になって電気を暗くしても眠れない様子だったので、ごろごろしているぼんに「お母さんが、お話してあげようか」と持ちかけると、即座に「うん!」との返事。そこで私は、『ともだちできたよ』という本のストーリーを話してあげることにした。

ともだちできたよ

ペンギンのペンペンが初めてお母さんとはなれて遠足に行く。ちょっと寂しいな、と思っているところに、ペンペン以上に寂しがっている子、トコトコと出会う。ペンペンとトコトコは手をつないで励ましあい、楽しい一日を終える――といった内容だ。ぼんの本は何度も読んでいるので、本を見なくてもだいたいそらで言える。

ペンペンが「行ってきまーす」とお母さんに手をふり、お母さんも手を振っている。次にペンペンが振り返って見ると、お母さんは1人、家の中に入っていく。そしてペンペンは「行っちゃった……。ぼくも、かえりたいな」とつぶやくシーンがある。

そのシーンになったとき、「行ってきまーす、って言ってるねえ。お母さんも、ぼんが保育園に行くとき、いってらっしゃーいって言うねえ」と話しかけた。そこまでは良かった。

そして次に、ペンペンのお母さんが家に入ったところで「『行っちゃった……。ぼくも、かえりたいな』。ペンペン、お母さんがいなくなって寂しくなっちゃったんだね」と言ったら、ぼんは薄暗い部屋の中で哺乳瓶をかみながら、「う~~」っとごくごく低い声でうなった。見れば、顔をしかめてべそをかいている。

まずいっ。
慌てて私は、「そうしたらどうなったんだっけ?あ、トコトコがいたんだったね」と言ってストーリーを先に進めた。幸い、ぼんは泣き出すには至らず、話の続きに興味を持って、しばらくして、寝た。

毎日楽しく過ごしているとは言え、ぼんはやはり寂しいのだ。私とはなれ、保育園に行くことが。だからペンペンがお母さんとはなれ、お母さんが家に帰っていくときに感じる気持ちが、よくわかるんだろう。

かわいそうなことをしたな、と思った。もちろん、寝る前にこのストーリーを話してあげたことがだ。でもその一方で、ぼんがそういう気持ちをもっていることがわかったし、ペンペンに自分の思いを重ね、本の内容に共感できるまでに成長していることもわかって、それはそれで小さな喜びでもあった。

せめて明日からは、ベランダからのお見送りのときに、どんなに時間がなくても先に家に入ることはしないようにしようと、寝入っている小さなまるい顔を見ながら思った。

テーマ : 育児日記
ジャンル : 育児

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好きな本は「赤毛のアン」「精霊の守人」「西の魔女が死んだ」などなど。新しいkindred spiritsと出会えるのを楽しみにしています。

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