冗談じゃねえ、自民党!

今さらながらだけど、自民党が7月20日にまとめた中長期政策「日本再興」の報告書について知る機会があった。それによると、「民主党は『子どもは社会が育てる』という誤った考え方でマニフェストを作った」と民主党を批判していて、「0歳児は原則、家庭で育てる」とうたわれている。ちょっと待て!!

該当部分の記述は、以下の通り。

子どもの健全な発育にとって、乳幼児に対し親の愛情、スキンシップを最大限に注ぐことが大切である。そのため、父母ともに育児休業制度を十分に活用するとともに0歳児については家庭で育てることを原則とし、家庭保育支援を強化する。(下線は原文通り)
http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/112141.html




…これ作ったの、誰よ?自民党の資料によると、この分科会の座長は町村信孝さんだ。私は町村さんは嫌いじゃない。嫌いじゃないが、これはいただけない。どんなメンバーが入っているのかわからないけれど、これはいただけない。

0歳児が保育園に入れなくなったら、大変なことよ??
ぼんは、1歳4か月の頃から一時保育に通い始めた。もちろん待機児童だった。

2007年の8月にぼんが生まれた。可愛かったし、身近で子どもを育てたいと思ったから、仕事は辞めても良かった。それでも「急いで辞めることはない」と会社が言ってくれたから、育休を取った。1年の育休を取りたかったけど、丸1年休んだとして、仕事に復帰する年度途中の8月でぼんを受け入れてくれる保育園なんて、どこにもない。前倒しして、ぼんの7か月が過ぎる2008年の4月から保育園に入れようかと、生後4カ月から探し始めた。……どこも、なかった。

私立保育園も、区立保育園も、無認可保育園も、保育ママもいっぱいだった。こういう状況になると、「子どもにとってよい環境」というより、「どこでもいいから預かってくれるところ」という条件で預け先を選ばなければいけなくなる。それでもなかったし、そもそも、そんな風に子どもを育てたくはなかった。会社からは「そろそろどうだい?」と復帰を促していただいていたけれど、預け先が見つからなければ、辞めるのもやむを得ないと思っていた。

幸い、ダンナとダンナの会社の協力が得られ、2008年の4月以降は、私が週2回、ダンナが週3回の変則的な育児休暇を取ることで、自分たちの手でぼんを育てられるようにした。そして半年以上過ぎた1歳4カ月の頃、もうどうにもフルタイムに戻らなければいけなくなったダンナの勤務日だけ、ぼんを一時保育で預かってもらうことにした。これが現実なのだ。

私の場合は、理解ある社長がいるリベラルな若い職場だったし、ダンナも、ダンナが作ってきた会社であることもあって、私たちの状況にあった育児の方法を理解していただけた。でも多くの人は、そうじゃない。

自民党の方針では「父母ともに育児休業制度を十分に活用する」ってなってるけど、実際にそれができる状況なのか。どこまでのケーススタディをしたんだろう。

……仮に、父母ともに都合をつけあって、子どもが1歳になるまで十分な育児休暇が取れたとしましょう。会社のことは気にしなくて良い状況だとしましょう。生まれた子どもが双子だったら?上に、まだ手のかかる子どもがいたら?

育児休暇っていうのは、実はクセモノ。待機児童が多い自治体の場合は、いったん上の子の退園を迫られることもある。お母さんが家にいるんだから、子育てくらいできるでしょ、というわけだ。もちろん、職場復帰時に再入園できるという確約はない。

育休期間が1年未満であれば上の子はそのまま保育園で預かってもらえるケースがほとんどだけど、迎えの時間は仕事をしているときよりずっと早い。可能ならば、お昼を食べた後くらいに迎えに来て、と言われる。下の子の育児もあるし、午後イチのお迎えではなかなか休めない。近所に面倒を見てくれる両親でもいればいいが、そんな恵まれた環境の人は、そもそも保育園の審査に通らない。

さらに、生まれた子どもが双子や三つ子だったらより状況は厳しくなる。自分の体を休めるので精いっぱいなのに、双子の世話、そして上の子の世話までしなければいけないのは、きつい。精神的にもまいる。産休期間なんて、あっという間に過ぎてしまうし。

「子どもの健全な発育にとって、乳幼児に対し親の愛情、スキンシップを最大限に注ぐことが大切である」というのは、もっともなこと。今さら言われなくたってわかる。だからこそ、預けるんじゃないの。自分が自分でいられるために。いつも何かに急かされて泣き声におびえる毎日ではなく、ゆとりを持って子どもに笑いかけられるようにするために、預けるのだ。自民党は、そこがわかってない。

産後のホルモンバランスも不安定なうちに育児で疲れて、家事は夫に頼むとしても、仕事疲れの夫が家事をやって妻のケアまでするのは至難の業だ。それこそ「愛情たっぷりのご家庭」で育てられてきた大方の日本男児に、そんなことを細やかにできる人は少ない気がする。

それでも自民党は、「0歳児については、家庭で育てることが原則」というのか。いったいどんな理想の家族の中で生きているんだろう。かわるがわる泣き、夜も静まらず、ひたすら抱っこを要求する双子の家に、住み込みで修行に行くがよろしい。自分で子育てをしたことがないならせめて、苦しんでいる人の話を聞きなさい。それがまつりごとを行う者のつとめじゃないの。

こんな政策、通しちゃいけない。

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好きな本は「赤毛のアン」「精霊の守人」「西の魔女が死んだ」などなど。新しいkindred spiritsと出会えるのを楽しみにしています。

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