1号の作文

子どもたちが通う小学校では、月に一度「スピーチ集会」なるものがある。各学年2,3人が前に出て、自由に考えてきたことをスピーチする。原稿を書き、先生の添削を受け、清書して覚え、発表するまでの一連のタスクをこなさなければならない。一年生にはやや重荷だが、良い取り組みだと思う。今月、とうとう我がツインズにも出番が回ってきた。

動物好きな2号は、最近新たに仕入れたホッキョクグマに関する知識を盛り込み、さっさと原稿を仕上げた。ちょっとだけ手を入れてやり、完成。

問題は、いつもおちゃらけている1号。なかなかテーマが決まらない。「好きなことは?」「最近頑張っていることは?」「小学生になって、一番印象に残っていることは?」などなど、考えるヒントになりそうなことをあれこれ与え、2号に遅れること1時間、ようやく「がんばっているたいいく」について発表することに決めたらしい。

「じゃあどんなことを発表したいか、書いてごらん」と鉛筆を取らせると、意外にも筆が進んでいる。早々と「できた!」という文章を読んでみると……。「君、私の息子かいね?」と言いたくなるようなお粗末さ。もちろん私の駄文がうまいと言うのでは全くないが、日本語として支離滅裂ではないレベルというものはある。これは少し介入せねばなるまいと、問答形式で取り掛かる。

「ここで『たての5だんのとびばこがとべます』って、ちょっと自慢してるみたいじゃない?」
「そうか。じゃあやめる」
「いやいや、やめなくていいからさ、ちょっと言い方変えてみようか」
などなど。

結局その日は終わらず、2号だけが作文を提出した。
翌日、「明日には持って行かなきゃ」と言うので、再度つきっきりで作文指導。寝る時間になったからもう切り上げろと言っても「どうしても明日持って行く」と粘るので、こちらも仕事を後回しにせざるを得ない。

1号は、感情は素直で良いんだけど、文章がどうもうまくない。でもすべてを直してしまうと私の作文になってしまうので、1年生らしさを残しつつ、読める文章になるように誘導する。幸か不幸か、その辺のさじ加減はわかるので思わず丁寧にやってしまったけど、正直、めちゃ疲れた……。ようやく書きあがった作文はすぐにしまわせ、「明日、忘れないように先生に提出するんだよ」と念押し。ふーーう。こんなに疲労を感じたのも久しぶりである。

そして翌日。
作文を読んだ先生はどんな反応をしたのだろうかと1号に聞いてみた。作品の大小や巧拙は別にして、文章を扱う仕事をしている身としては、一生懸命面倒を見たものがどう読まれたのか、気にならないわけがない。
「作文出した?」
「うん」
「先生、何だって?」
「そこに置いといて、だって」

……。
ちがーーう!
そこで粘れよ!

いつもツメが甘い1号なのでした。

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好きな本は「赤毛のアン」「精霊の守人」「西の魔女が死んだ」などなど。新しいkindred spiritsと出会えるのを楽しみにしています。

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