初めての外食

うっそ~~、と言われそうだが、今まで、1人で夕飯を外で食べたことがない。あるだろう…と思って思い返してみるのだが、本当に記憶にない。私は、1人で外食するのが苦手なのだ。もちろん、社会人だからお昼は当然外で食べることもある。昼食はいいのだ。カフェやファーストフード店には何の抵抗もなく入れる。問題は夕食。
もちろん、1人で夕食を食べたことは何度もある。ただ、それは家でだった。夜遅くなったとしても何かを買って帰ったり、ささっと作ったりして食べた。もちろん、夕食を外食としたことも何度もある。ただ、それは必ず誰かと一緒で、1人であることはなかった。

なぜ1人で外で夕飯を食べないか。正確に言えば、「1人で食べない」というよりも「1人で食べれない」のほうが近いかもしれない。1人で店に入れない。それは、1人であることをことさらに実感するからかもしれない。それがさびしくて孤独を感じるような気がするからかもしれない。深く考えたことはないけれど、苦手なのだ。

そんな妙な(?)履歴を持っていた私が、とうとう初めての体験をした。

その夜は、仕事が終わってどうにもこうにもお腹がすき、帰りの電車の中でとーーっても気持ちが悪くなった。私のつわりは、お腹がすくと気持ちが悪くなるという「食べづわり」。家まではとてももたない。帰路を一緒に帰っている友達もいない。バッグの中には飴があったけれど、飴なんかではとても解消できない程の気分の悪さ。

やむなく心を決め、乗り換えの駅で改札を出、デパ地下に向かった。そのデパ地下にお茶漬けの店があることは、以前にダンナと立ち寄ったことがあるので知っていた。普段だったら目移りしながら進むケーキコーナーを脇目も振らずに猛進し、奥のお茶漬けの店に直行した。

メニューを眺めるのもそこそこに、早くできそうなものを選ぶ。どれもお茶漬けだから早さなんて似たようなものだが、それでも早めに出てきそうな、マイルドな味のものを選ぶ。出てくるまでは、お茶を飲んで飲んで気持ちの悪さをごまかした。

bubu.jpg出てきたお茶漬けに入っていた豆はなんだか食べられなかったけど、ほぼ1人前をたいらげた。食べ終わったら、隣の人も、1人で来ている女性だったことに気づいた。いざ体験してみると、そんなに決心をして臨むようなことでもなかったことに、新しい驚きを覚えた。

その夜は、少しだけまた自由になったような解放感とともに、食べ終わっても「美味しかったね」と言える相手のいないことをやっぱり寂しいと思う気持ちとを抱えながら、ゆったりと帰路についた。

妊娠すると、初めて経験することが多くなる。

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好きな本は「赤毛のアン」「精霊の守人」「西の魔女が死んだ」などなど。新しいkindred spiritsと出会えるのを楽しみにしています。

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